王と玉

日韓はアジアにおいて別格であることを再認識させられた．
見応えのある勝負に当直あけでショボショボしていた眼が生き返った．
1対1の鍔迫り合い，ピッチを切り裂くパススピード，オープンスペースを駆け上がるダイナモ達．
まだまだ若い両チームがこれからの3年間でどれ程の成長を遂げるか楽しみだ．

試合の翌日にこれ程の爽快感を感じたのはいつ以来だろうか．
勝ったからだけではあるまい．
両監督のコメントを読んでその思いを強くした．

ザッケローニ監督「韓国を賞賛しなければならない．その素晴らしいチームに勝てたことが喜びを一層大きくしてくれる」
趙広来監督（会見の最後に）「最後に一言．日本におめでとうを」（拍手）
監督の采配がそれぞれ「勝負の一手」の凄味を見せた試合も珍しい．

次はアジア最強のオーストラリア．
実に楽しみな試合である．
抜き身の日本刀が如き凄味で，サムライ・ブルーの切れ味を魅せて欲しい．

いいことは真似るべき

ウチも真似して欲しい．

広報グループ：グランパスオフィシャル・スタッフBLOG：So-net blog

干渉

代表チームが１勝も出来ずに予選リーグで敗退してしまったのを受けて，ナイジェリア大統領は２年間の国際試合参加禁止を命じたと報じられた．

仮にもワールドカップ出場を果たしたチームに対して何という侮辱だろうか．
たかだか１国の首長に過ぎない大統領にフットボール選手の自由を奪う権利はない．
フットボールは政治なんぞより遙かに尊く，命に近い存在である．

国際社会がこの暴挙を許さない事を信じたい．

内政干渉以上に，政治によるフットボールへの干渉の方が有害でる事は間違いないのだから．

そうそう，GBの首相もビデオ判定の導入をほのめかしていたが，あれも一市民としての発言と目をつぶってやろうと思っている．その気になればルール改正できる力を有する偉大なる女王様のサッカー協会が，自国が負けたからと言ってフットボールが陳腐な解釈に屈するのを許す訳がないと信じている．

Fairplayってのはunfairな事に充ち満ちた世の中で堂々と生きていけるように踏ん張る事だ．

unfairなfootballが大好きだ．
その中で眩しく輝くプレーに胸が震える．

God save the football.

そうぞう

The most boring match.

その一言に尽きる．

驚きも，喜びも，悲しみも，怒りも．
何も起こらなかった．
溜息すら出ない．
ただ，ただ，欠伸がでただけ．

ワールドカップは教えてくれた．
フットボールは不条理なのだよ．だけどあがき続ければ，時として「事」が起こることもあるのさと．
いくつかの奇跡は，あわやまた，と期待を抱かせもするが，奇跡なんてそうそう起こるものじゃない．サプライズは狙って起こすんだよと．

人種，所属する社会を問わず，人々の感情をこれ程にかき立てるスポーツはない．
人生と同様に，不条理に満ちて，概ね不公平であるにも関わらず．
人はあの舞台に歓喜を求める．

想像力に満ちた挑戦を
我が道の創造を

そうして人はプライドを身につける．

昨夜の彼らはボーナスステージにいたように見える．
そこには何の想像力も創造性も感じられなかった．

2002年トルコに敗れた後，トルシエがこういった
「選手達が満足してしまっていたようだ」
それを聞いた岡田氏はこうコメントしている．
「それは自分の事じゃないの」

岡田氏よ．あなたも満足していなかったかい？

ただただ，眠かった昨日の夜．
それは疲労だけではあるまいと確信している．

enjoy!

人間の限界とは
どこまで楽しめるかにある．
従って，心から楽しんでいる人間は無意識に限界と戦っている．

晴天の公園を満面の笑みを浮かべて走り回る子供達．
彼らは決して疲れない．

もう何も言うまい．
楽しめ．
今，この時を．
そして，舞え．
己の感ずるままに．

君たちの舞に僕は酔おう．

どん！

いいチームだと思う．

デンマーク戦で確信した変貌の一因がある．

中澤だ．
高さは充分に通用したが，相変わらず裏は取られるし追う足はない．
だが，これまでの中澤にない風景に気付いた．
これまでの中澤は裏を取られピンチを招いた後，唇を噛みしめ天を仰いでいた．
デンマーク戦では裏を取られピンチを凌いだ後，ボランチを睨みつけ大声で怒鳴っていた．
この開き直り．
これこそがCBのメンタリティーだ．
４バックはギャップが多く裏を取られるのが必須のシステムだ．
カバーリングこそがDFの美しさである．
だから自分にミスがあったとしても，堂々とカバーリングを要求すべきなのだ．
ミスを悔やむDFは萎縮し後退する．
集中力が切れ気持ちが折れる．
開き直りこそが，DFの気持ちを支えるテクニックだ．
怒鳴りあえる信頼性がチームに育ったのならば，そのチームは機能できる．

怒鳴る中澤を見たときに，
あぁ　このチームは変わったんだ．
そう確信した．

長らく日本にDFが育たないことを嘆いてきた．
守ることを重要視する事が守備的でつまらないフットボールとするのはあまりに短絡的であり，フットボールのおもしろさを理解できない指向性である．
そもそも，守備の強いチームがいてこそ，それを破る攻撃が輝くのである．
ノーガードの打ち合いを面白がるのは小学生までにして欲しい．

2本のFK.
相手をコケにする本田のプレー．
素晴らしいと評価したい．

だが，僕たちがこの3試合で手にしたのは，日本に芽吹いたDF文化かもしれないとときめいている．

ようい

オランダ戦
一言で言えばよくやった．
しかし，惜しかった．
日本のフットボール史における大きなbreakthroughとなるはずだったのに．
DFが急激に成長するなんて事はあり得ない．
守備は文化であり，代表チームの「守りよう」はその国のfootball周辺で生きている一人一人の血とならねば個性とはなり得ない．従って，その熟成には時間を要する．
オランダ戦で見せた守備は個人に因るところが大きいと分析している．
長友は文字通り小さな巨人であった．イングランドとのテストマッチ，カメルーン戦でconfidenceを得たようだ．世界に誇るSBと言える．
長谷部のキャプテンシーには脱帽するよりない．現代表チームの竜骨である．
やはりGiant killingを狙うrising sunにとって集中力が切れたのが致命傷だった．頑張って中盤のスペースを占拠していた長谷部と阿部はシュートブロックという緊急事態に対応せざるを得なかった．その中で「あの」シュートレンジを持つスナイデルは涎を垂らしながら待っていた訳だ．そのシュートシーン．背後にはぽかーんと口を開けて眺めるBig mouthがいた．残念．
亀戦で奇跡的なパフォーマンスを魅せた遠藤も普段の遠藤だった．気の抜けたパスは世界で通用しない．
ビハインドで攻めに行く姿勢を見せた岡田サンを評価したい一方で，なぜ前田や佐藤寿人を呼ばなかったのかと首を傾げてしまった．

相変わらず無責任なマスメディアはデンマーク戦には勝てると思っているようだが，簡単な相手ではない．ただ，オランダ戦を選手達が本気で悔しいと思っていてくれれば勝機は充分にあると思う．オランダ戦を良く戦えたなどと思っているようならばここまでだと断言する．

スペイン大会を始めてテレビで観たときには日本がワールドカップに出るなんて夢にも思わなかった．
それを思えば凄いことだが，人間ってのは過去を振り返ると進歩を止める様に出来ているらしい．
新たな歴史の扉が開く瞬間をこの目で見たい．（が，その日は呼び出し当番…）

寝不足

昨夜のGiant killingにすっかり興奮してしまい眠れなくなってしまいました．
カメルーン戦の後はすっと眠れたのに．
スイスの闘いぶりは観ていて鳥肌が立ってしまいました．
彼らはヨーロッパの強豪国と戦い慣れているとは言え，その堅守もまた相手の熟知するところでした．
スペインが固かったのは間違いないとしても，ヨーロッパno.1の圧力にギリギリの間合いで耐え，泥臭いくらいの断固たる決意が溢れるカウンターを浴びせました．
「これがスイスだ」と言うアイデンティティーを堪能しました．
今のところ僕の中ではベストマッチです．

スペインースイス戦の前座はフットサルのシニアリーグでした．
相手もいないところでエア・シミュレーションもどきのコケをお披露目してきました．
でも，楽しかったっす．

いちについて

アフリカ大陸初の大会
ホーム以外でのワールドカップ初勝利

そして，今大会は中田英寿のいない初めてのワールドカップだった．
強く，ストイックで，賢かった彼の代役はいない．

だが，長谷部，大久保，松井が放つ煌めきは経験の浅いカメルーンには十分な脅威だった．
阿部もいっぱいいっぱいながら踏みとどまってくれた．
長友の闘いぶりは闘牛士のようで．
遠藤は未だかつて見たことがない集中力を見せた．
そして本田はゴールを決めた．

本田は生きづらい生き方をしていると思う．
損をしているかも知れない．
どうせ調子に乗るのなら，ピッチを支配しなくては単なる馬鹿者で終わってしまう．
点を決めて満足する選手ならそれまでだろう．
次のオランダは間違いなく強敵だ．
エリアを日本人が止める風景が想像できない．
だが，期待や想像は裏切られるためにある．

どうせ馬鹿なら，スケールの大きい馬鹿であってくれ．
降臨せよ．

審判

J2の審判に辟易している皆さん．
世界には上がいます．
自分だったら，こんな奴にイエロー喰らったら殴りかかっちゃうな．
昔からある有名な動画らしいけど先日知りました．
職場で昼飯食いながら観てたから，噴き出しちゃったよ．