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誤解 [media watch]

報道に見られる誤解を解きたい.
噂の多剤耐性菌の件だ.
多剤耐性菌の誕生に抗生剤の乱用があり,院内感染対策には多くの人手が必要であることは間違っていない.
問題は「多剤耐性菌による院内感染が原因で死亡」という点だ.
多くの多剤耐性菌は健康な人には感染しない.
院内感染の多くは衰弱した患者さんに起こっている.

つまりは,「死亡した患者さんが多剤耐性菌による感染症も起こしていた」と言うのが正しい.
残念ながら感染症に抗生剤が効こうが効くまいが,予後に大きな影響は与えないのが現実である.

ただし,最近話題のインドから来たと言う多くの抗生剤に対抗する遺伝子NDM-1を持っていたのは大腸菌だ.こいつは尿路感染症の原因として健康な人にも悪さをする.やはり抗生剤の乱用は慎むべきだ.
かかりつけの医師が「風邪だね.よく効く薬を出しとくよ」と禄に説明もせずに抗生剤を出すようならかかりつけを変えてみた方がいいだろう.特に「クラビット」などと言う広域抗生剤(いわば核兵器)をボロボロ出すような医師は抗生剤の使い方を知らない.要注意だ.アメリカではクラビットをよく出す医師を「ビタミンL」(Levofuloxacinと言う一般名だから)と言って馬鹿にするそうだ.
「風邪でしょうね.抗生剤は必要ありませんから,いざというときに取っておきましょう」と説明してくれる医師を捜した方がいい.

因みに日本は世界中のタミフルを消費しているが,世界一クラビットを消費している国でもある.

日本の医療レベルは高いかも知れないが,医師のレベルはとてつもなく低いと嘆かざるを得ない.
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