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家族 [思い]

日曜日はある先生を偲ぶ会だった.
昨年より不治の病を伝え聞いていたのだが,その訃報は大きな喪失感をもたらした.
国際的にも名の知れ渡った先生で世界中を飛び回る活躍だったのだが,大変に北海道,札幌を愛し,家族を愛した先生だった.
自分の残された時間を考えて,身の回りを整理されていたようだ.
偲ぶ会で流されたスライドの写真もご本人が選ばれたと聞いた.
最後の時間を家族と過ごす事を強く希望されていたそうだ.
最後は同僚の先生方に看取られて亡くなった.
「きっと父にとっては同僚の先生方もまた家族だったと思います」
そう述べられた息子さんの言葉が心に残る.

スマートな先生に相応しい,爽やかな時間だった.
残された後輩達は,メソメソする事を許してもらえそうにない.
遺影のにこやかな目が
「ほら.いつまでしけた顔をしているんだ.のんびりしている暇なんてないんじゃないのか?」
と問いかける.

先生が残された最大の実績は,先生が育ててこられた「人」なのだと思います.
ありがとうございました.

地に足をつけて [思い]

聖職者などと思い上がらず.
働き始めた時の意気込みを思い出してみる.

評価されていないとか.
感謝されないとか.
仕事の価値を他人の価値観に預けてはいけない.

人の役に立ちたいと始めた仕事.
感謝されてくいれていなくても,人の笑顔に少しでも関われたとき.
自分の心にいくらかでも満ちてくるものが感じられれば,
感じる事が出来る自分を幸せだと思う.

騙されたり.
利用されたり.
恨まれたり.

嫌なことも勿論あるが.

だからといって,
今日 出会えたあの笑顔に感じた喜びは誰も奪えない.

ありがとう.
僕は幸せです.

五輪雑感 [思い]

やはり五輪は特別なのだ.
女子モーグル決勝で繰り広げられた勝負に震えた.
注目される選手のドラマはメディアが過剰なほど演出してくれる.
CMまでもが商品ではなく選手をプロモーションしていた.

でも,アスリートは競技でしか語れない.
それを証明してくれた気がする.

若い選手達がのびのびとチャレンジする中.
30代の選手達がそれ以上のチャレンジを見せた.
転倒するアメリカ人有力選手に「ひょっとしたらメダルが取れるかも」と思ったのも事実.
しかし,彼らの限界に挑戦する姿勢こそがチーム・アメリカであり,メダルの原動力ではないのかと思い至った.

予選でミスがありながら果敢なチャレンジを見せた里谷選手に祝福を.
勿論,4位入賞を果たした上村選手には賞賛を.

どんな世界でも正しい素質"right stuff"とは自分を信じ"push the envelope"する姿勢だ.

ちなみに,国母君は「封筒を押しちゃえ」そうな気がしています.
ボーダーはパイプで語れ!

喪致乎哀而止 [思い]

友の死を知った.
友と表現したが年長者であり先輩である.
同じ志を持つ戦友として友と表現させて頂いた.

予期せぬ別れに呆然としている.
信じられぬ知らせを否定したい一方で,底知れぬ喪失感がここにある.

我が服喪は号泣となる.
地を踏みしめ,虚を握りしめ,空に涙す.
この悲しみは何処に流れるのか.

ただただ,祈りたい.
そして忘れまい.彼の笑顔を.心を.

友としてその志を継いでいくことをここに誓う.

情けない… [思い]

正に世界トップといえる科学雑誌natureも日本で繰り広げられる混乱を無視できなかったようだ.

Japanese science faces deep cuts :: Nature News



税金の無駄遣いをチェックするのはいいが,学問の世界に成果主義はタブーだ.
夢のない学問なんて誰がやるものか.
思春期を犠牲にして勉強して得る物は学歴ではない.
学ぶ事の意味を知るためにガリ勉するんだ.
そして夢を見ることを知る.
その夢を子供達から奪うのか.

子供達に借金をし.
子供達の夢を換金し.

何を手にする?
何を買うんだその金で?

まともな親なら心が痛むだろ.

目を覚ませ.
日本人よ.

鳩山さんへ [思い]

先日の所信表明演説を聴かせていただきました.
人としての誇りを取り戻そうと呼びかけられたように解釈しております.
働く意味,学ぶ意味,生きていく意味を問わねばならぬ時代は悲しすぎると常々思っておりました.
感激して一文したためております.

3人家族で暮らしておりますが,妻には収入がありません.
それでも彼女は忙しいです.
寝る間も惜しんで働いています.
なんのためか.

小学校にはPTA活動があります.
仕事を持つお母さんも多く,毎年役員を決めるのが大変なのだそうです.
だれも自分からやろうとはしないと.
妻も決してやりたいわけではありません.
それでも6年間毎年役員を続けています.

息子が入学したときに,僕はやれと言いました.
くじ引きや推薦,選挙で決めると言う案もあったそうです.
やりたくない人が嫌々PTAの役員をやっているような学校で学ぶ我が子を可哀想だと思わないか.
そう話しました.
彼女はそれから6年間,毎年役員を引き受けています.
ちゃんと意味を考えて引き受けていますから,嫌々ではなくちゃんと引き受けています.
この妻の生き様を子どもはちゃんと見て育っています.

ある時,クラス行事のリーダー役を決める選挙がありました.
学校イチの問題児と言われる我が息子が立候補したそうです.
クラス全員,担任の先生からもブーイングを喰らい,辞退したそうです.
結局は優等生の子が推薦されて決まったそうです.
我が子のこの行動はKYと評されたそうです.

半べそをかいて帰ってきた息子はこう言いました.
「やりたいヤツがいないんだったら,やってやろうと思うヤツがやった方がいいに決まっている」
滅多な事では怒らない妻が真っ赤になって怒りました.
「息子が言っている事は正しいと思う.どんなに優秀な子だって,先生の言いつけをよく聞ける子だってやる気がない子をリーダーにするのはみんなに失礼だ」

この話を聞いて,僕は涙が止まりませんでした.
正しく,頑張り続けてきてくれた妻への感謝.
その姿を見て息子が正しく成長してくれた喜び.
そして,この国の未来を担う子供達が大人の無責任を学んでいる悲しみ.
それらが胸をいっぱいにします.

いつから日本は空気を読む時代になったのでしょうか?
責任を回避する事を危機管理と称し,権利を貪るために空気を読んでいる大人ばかりに見えるのです.
空気なんて読まないで,隣に座る見知らぬ人の顔色をうかがえる人間になりたいです.
「大丈夫ですか?」と声をかけられる人間に成長して欲しいと思います.

鳩山さんが仰る友愛や絆がそんなものであればいいなと考えています.

貧困の正体 [思い]

バカのひとつ覚えなんて言わないで下さい.
TEDのホームページは宝の山です.

TEDの説明はWikipediaでご覧になって下さい.
この団体は毎年3人にTED prize(賞金10万ドル)を贈っています.
今年受賞した一つの団体がエル・システマというベネズエラの音楽教育団体で,彼らはベネズエラ全土で30万人の低所得者層を中心とした若者に音楽教育を続けているそうです.そのトップメンバーからなるオーケストラの演奏が公開されていました.

年齢層は高校生くらいとのこと.
驚愕の演奏技術です.
何より彼らの表情の輝き!

スピーチの中でマザーテレサの言葉を引用しています.
「貧困の最も悲惨な点は食べる物や住むところがないことではない.
 自分が何者でもないこと.
 アイデンティティーの喪失である」

豊かな日本で暮らし.
食べる物はあるのに,買う金もあるのに,ただ飢えている自分.
風も雨も凌いでくれる家もある.
外には太陽が輝いているのに,カーテンを閉め切って悶えている自分.

貧しいのは己の心でした.

更に2007年にRaul Midonが歌っていました
盲目のギタリストが歌います.
" I got all the answer." と.

打たれるね...
どうも...

目で見える物,耳に聞こえる物に捕らわれすぎて,
肝腎の自分がみえなくなっているみたいです.

このTEDの講演会に参加するには年会費6000ドルを払う必要があるのですが,主な講演内容はインターネット上で無料で公開されています.
iTuneを使っている人はpodcastで視聴出来るし,
YouTubeでもカンファレンスで行われる講演を紹介されています.
http://www.youtube.com/TEDtalksDirector

世界中のみんなに観て欲しい [思い]

こちらのビデオを観て下さい.
subtitleをJapaneaseに設定すれば日本語の字幕を出せます.

当たり前の事を述べられていますが,ショックを受けました.
また襟を正したいと思います.

40を過ぎましたが,ヒーローを目指す努力は怠ってはならないのですね.

酒と泪と患者と馬 [思い]

祖々父もまた医師だった.
明治の農村で医師を営む祖々父の名は虎三郎である.
大酒飲みだっとと言う.昼間から飲んでいたそうだ.
農村の患者は当然,農家であった.
多くは貧しく診療代を払えない.
おまけに限界まで無理して倒れるから診療所までこれない患者が多かったらしい.

虎三郎さんは馬に乗って往診に行ったそうだ.
農家の台所にはいると,まず酒を飲んだそうだ.
勝手に.
そして,頃合いを見計らって患者を診たそうだ.
その後,また酒を飲む.
酔いつぶれると家族は馬の背中に虎三郎さんを乗せた.
馬は背中に主人を乗せるとポコポコと歩き出す.
勝手に厩に戻っていく.

日が暮れて虎三郎さんがいない事に気付いた家族はまず厩に行った.
そして馬の背中で寝息をたてる虎三郎さんを見つけるのだ.

米や野菜を虎三郎さんといっしょに載せてくれる農家もあったと聞く.
お金はほとんど貰っていなかったようだ.

今の病院で僕が診ている患者さん達と,虎三郎さんが診た患者さん達.
どっちが幸せだったろうか.
そう考えると酒はとても苦くなる.

ひいじいちゃんに乾杯.

あぁ,神様 [思い]

新潟で行われた中学生のフットサル大会でわざと負けるためにオウンゴール6点を指示した教頭の話を新聞で読んだ.
何でも既に予選突破を決めていたチームが,リーグを1位で上がると決勝で相性の悪い相手と当たるので,それを回避するために2位通過を狙ったとか.
スポーツマンシップに反するとか,教育者として云々という話は自分にとってはどうでもいいことなので書くつもりはない.むしろ自分は結果論を書きたい.
このチーム,思惑通り2位通過したにも関わらず,決勝トーナメントで敗退したそうだ.選手達は気の毒だと思うが,OGを演出したのは監督や教頭だったにしてもプレーしたのは本人達だから,自業自得とあえて言わせて貰う.
言い古されたことだが,フットボールには神様がいる.時に残酷で,時に冷淡で,そしてイタズラ好きでもある.そんな神様に世界中のフットボールラバーが振り回されている.そんな神様なのに拝んでしまうのは,一重にフットボールの持つ緊迫感とゴールネットが揺れたときのカタルシスに尽きるのだと思う.盲目こそが愛の条件であり,それが日常を浸食したときに信仰と化す.

さてこの気まぐれに思える神様だが,唯一一貫している姿勢があるのをご存じか.
彼女(勝手に女神にしているが,古来気まぐれな神様は女性と相場が決まっているし,フットボールの神様は間違いなく女神だと思う)は正直者が好きなのだ.しかも正直な馬鹿が大好きだ.戦力差が大きいチーム同士の対決でどう見ても勝てそうにないチームが心折れずにがむしゃらに走りまくり,どろどろになって戦う様は無様である.まったく格好良くない.でも,心惹かれてしまう.どうやらフットボールの女神は母性本能が強いらしい.時々,そんなチームにgiant killingのご褒美を与える.
手を抜く,ベストメンバーでない,ましてやわざとオウンゴールを献上する.そのような風景は彼女の好みに反する.輝いていたファンタジスタは走らなくなると途端に輝きを失い始める.ベッカムが輝き続けるのは,顔の良さでも,匂い(いい匂いらしい)でもない.彼の出場試合を観ているとその運動量にビックリする.見た目と違い実に泥臭いプレーをしている.だから彼は愛され続けている.監督には嫌われても輝きを失わない.

兎角,要領や効率の良さが善とされる世の中だが,要領や効率の良さは成功を意味するだけでしかない.
正直者は馬鹿を見ると言う.
自分自身を考えてみても,決して要領が悪いとは思わない.(致命的に思慮が足りないけど)
馬鹿な人生を生きているなと思う.
しかし,周りの人々に助けられて生きている.
助けてくれる人々の優しさに気づけたときに,
あぁ,俺は幸せだと痛感する.

やはり,正直な馬鹿は幸せだと思う.

世を拗ねて生きる成功者になるくらいなら,愛される馬鹿になりたい.

正直に馬鹿を生きたい.

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