医療関連番組

ボーッとしてTVを観ている事がよくある．
先日は偶然にも面白い番組に出会った．
NHKの新番組「総合診療医G」である．
断っておくが，医療ドラマは大嫌いである．医療情報番組の殆どは有害だと諦念してもいる．
自らをスーパードクターと紹介されて喜んでいるオッサンには鼻白む．
この番組はバラエティーである．（多分）だって司会は浅草キッドでゲストに山口もえとなればテレ東系色が隠せない．
しかし，番組のテーマは研修医教育にある．実際に（ちゃんとした）医療現場で行われる問題解決型カンファレンスを，偽症例ドラマを見せながら診断を絞り込む形式で再現していた．
何より指導医の力量の高さに舌を巻く．知識の多寡ではない．TVで診断仮説を否定されてしまうと若者を潰してしまう可能性すらある．決して否定することなく彼らの挙げた鑑別診断から学ぶポイントを抽出すれば，彼らのモティベーションを挙げながら更に自分で課題を発見する事に繫がる．丁寧に，それでも喋りすぎることなく繋いでいくその様に思わず身を乗り出して見入ってしまった．
医療崩壊という言葉に誰も驚かなくなった現状にあって，やはり次の時代を築くのは教育なのだと確信した．
医療に限らず，会社，地域社会，日本だって未来は教育でしか繋げない．
人を育てる事，人に教える事，人から教わる事．
どれもが大変だし，面倒くさい事かもしれない．
それでもやらねばならない．
そして，時間はかかるだろうが，教育こそが最高の喜びをもたらしてくれるはずである．