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役所に騙されてはいけない [吹き出物(噴き出して来るんだもの)]

お役所はマスコミに弱そうに見える.
騒がれると慌てているように見える.
すぐに対応しているように見える.
道、周産期医療強化へ 新年度、設備整備に補助金−北海道新聞(政治)


だが,騙されてはいけない.
この記事で「周産期医療支援のため」に予算を計上するとあるが,よく読んで欲しい.
あくまで出費は「設備整備」のためなのである.要するに機械を買えと.
医療機関において高度医療を維持するために大きな負担になるのは人件費なのだ.
それらに対する補助はない.
市立札幌病院はNICUの増床計画を発表したが,新生児科医の増員は見込みがついていない.
手稲K病院も補助を目当てにNICU開設を狙っているようだが,医師確保の見込みは全くついていない.
必要な金ならちゃんと使って欲しいと思う.

そもそも,新生児科医が足りなくなった背景には医療の高度化により以前ならば助からなかった小さな赤ん坊達が救えるようになったことと勤務の厳しさにある.医療の高度化に伴い重症の赤ん坊に限って言えば新生児専門医が治療に当たるのが望ましいのは当たり前の理屈である.治療成績が違うのだから.ところが国はNICU認定に当たり認定基準に新生児専門医の数などを入れていない.入れると認定病床数が足りなくなるからだという.本末転倒甚だしい.
そうして多くの若い希望を抱いた小児科医達が夢破れ新生児科医への道を断念していった.

そうした事情をメディアは説明しただろうか?
彼らは問題の本質に真っ向から向き合ったりはしない.
わかりやすい.受けがいい部分だけを切り貼りする.
件の新生児受け入れ先が見つからずに亡くなった事案については残念だと思う.
その件をマスコミが騒ぎ立てる理由は社会正義ではあるまい.
マスコミは緊張と弛緩を売り物にしている.不安を煽り視聴者の心理を緊張に追い込み,愚にもつかないバラエティー番組で弛緩させる.このメリハリに頭を使ったような「錯覚」を味わせているのだ.
兎角,医療は不安を煽りやすいからネタになる.本質を突き止めようとすると問題が根深いことに気付き表面だけを利用する.1時間のインタビューの内10秒前後の使いやすいところだけを編集し,被取材者が語った本来の論旨とは違う用い方をする.
世界をダメにした最大の罪はマスメディアにあると確信している.

そのメディアに騒がれて,役所は対応をする.
あたかも適切に対応しているかに見えるかも知れない.
「言われなきゃやらないのか?」
そんな批判も耳にする.
だが,彼らは「言われてもやらない」
騙されてはいけない.
やっているように見せる事に関して,彼らはプロだ.
タグ:周産期医療
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