卑怯者の物言い

プロの物書きが理解できていないことを無責任に書くことほど恥ずかしいことはなかろう．

社説　北海道新聞

記事より 民主党など野党が反対している人物をあえて十九日の任期切れぎりぎりに提示してきたのだから、不同意となるのは予想されたことだ。

以前にも指摘したが，日銀人事に反対していた民主党も一度は議長斡旋の形での受け入れを表明している．それを政争の道具に持ち出してきたのは民主党なのだ．
更に，総裁選びの混沌を厳しく指摘する著者だが，

記事より これまで政府案がたいした議論もないまま決まっていたことの方がおかしかったのだ。むしろ今の方が国会のチェック機能が働いているとも言える。 更には ここは任期切れにこだわらず、国会でじっくり議論し、総裁として本当に「ベストな人選」をするのも、一つの考え方ではないか。

とも書いている．大した矛盾ではないか．
最もプロとして恥ずかしかろうと思うのは，

総裁にふさわしい人材はほかにもいるだろう。

この部分である．具体例を出さない．個人名を上げないまでもどのような人物が相応しいのか書くべきだ．だが，書けない．知らないからだろう．判らないだろう．ならば書くなと言いたい．
問題とされてしまった武藤副総裁は実務能力に長け，現在の金融政策を引き継ぎながら舵取りをしていく上で最も能力的に相応しいと言われている．この点に関しては民主党も認めているのだ．ただ，財務省出身者を金融のトップである日銀総裁に頂くことが財政・金融分離の原則（あくまで原則である）に反するとして反対しているに過ぎない．彼らとしては天下りを叩く国会での姿勢と矛盾を感じるらしい．いかにも野党根性らしいではないか．
どうやら，この著者は民主党支持者のようだが，それにしても書いていることがいい加減すぎる．
道新は北海道で最も（記事の質は低いが）ポピュラーな新聞社である．その社説がこの程度ではいつまで経っても道民の政治意識は改善しない．
マスメディアは野党よりの記事を書いた方が売れる．記事は書きやすいのだ．何故なら世の中には不満を持って生きている人間の方が圧倒的に多く，しかもその不満を誰かのせいにしたくて仕方がない．役人や政治のせいにするのが一番簡単である．生活が苦しいときに「節約しなさい」などと書いてある新聞と「税金を無駄使いする政府が悪い」と書く新聞ならば売れるのは後者という訳だ．
要するに，道民はバカにされているのだよ．
人の良い道民はそれを鵜呑みにしてせっせと無責任な政治家を国会へと送り出す．そう，１区のヨコチン野郎のようにね．ヤツは北海道知事時代，夕張の破綻に関しては重大な責任を持つにも関わらず，今現在無視した態度を貫いている．更に泊原発建築の時道民投票条例により道民に意見を広く聞くことにも消極的な姿勢を示した．こんなヤツを北海道の代表とされるのは恥ずかしくて仕方がない．

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